神秘の歌姫Ado世界ツアー=サンパウロに〝火花〟散らす/ブラジル日報
ブラジル日報 2025.08.23. https://brasilnippou.com/ja/articles/250823-22colonia
謎に包まれた日本の歌姫、Ado(アド)が世界規模の注目を集める「HIBANA World Tour」の一環として13日、サンパウロ市バラ・フンダ区のエスパッソ・ウニメジで初来伯公演を行い、数千人のファンがAdoの魅力に酔いしれた。この公演は、アニメ文化に強い影響力を持つクランチロールが後援し、洋の東西を超えて注目を集めた世界ツアーの一部だ。
「Hibana(火花)」と名づけられた本ツアーは4月26日にさいたまスーパーアリーナで始まり、世界約34都市を巡って今週末24日のハワイ・ホノルルが千秋楽。そのラストスパートであるサンパウロ市会場でも完売となる大成功を収めた。総勢50万人を動員し、日本人アーティストとしては最大規模の世界ツアーだ。
ライブチケットの値段はサンパウロ市会場のアリーナ前方席840レアル(2万2800円相当)、VIP席930レアル、一般席360レアル。ブラジルで公演を行う欧米の著名アーティストとほぼ同等の値段だ。
hedfowサイトのギリェルメ・ゴエスさんの21日付コラム(https://hedflow.com/2025/08/17/Ado-traz-espetaculo-multimidia-a-sao-paulo-e-entrega-show-inesquecivel/)などが報じた。
Adoは、登場時からその神秘性を貫いた。観客には写真・映像撮影の禁止、違反者は退場処分となる厳格なルールが伝えられ、舞台上ではLEDライトに囲まれた〝鳥かご〟の中でただシルエットだけが浮かび上がる演出が展開された。
代表曲「うっせぇわ」などから始まり、「Lucky Bruto」「ギラギラ」「クラクラ」「愛して愛して愛して」続く。バンドの充実したサウンドに支えられたAdoの声は、叙情から激情まで自在に行き交い、ステージ空間を圧倒的なエネルギーで満たした。また、舞台装置と相まって、観客は視覚と聴覚が同時に刺激されるマルチメディアな没入体験を味わったと評価が高い。
公演終盤ではAdoが観客に語りかけ、日本語に加え英語やポルトガル語を織り交ぜながらブラジルでの体験や感想を語り、観客との距離を一歩縮めた。顔を出さず、姿ではなく「表現」と「歌」だけで観客を惹きつける――その姿勢がAdoの強烈な個性であり、アートとしての音楽の在り方を再提示する舞台となった。
ポップカルチャー専門サイト「オムレッチ」14日付コラム(www.omelete.com.br/musica/ado-show-brasil-hibana)で、ブレノ・デオリンドさんは、以下のようなコンサート評を投稿した。
《最後の楽曲「Neon Genesis」を前に、Adoは再び観客に語りかけた。今度はより率直に、自身の不安や迷いを吐露するような言葉だった。その姿から浮かび上がるのは、彼女が顔を隠す理由が「街中で気づかれずに歩くため」という単純なものではなく、むしろ「外見による先入観や評価を取り払うため」である、という明確な意思である。
(中略)Adoが生み出したのは、余計な要素を排除し、純粋に音楽に向き合うための空間であった。しかし私たちは、記録する行為そのものにとらわれ、目の前の体験に没頭する準備ができていない場合もある。(中略)
Ado自身は理解しているのだろう。外見こそがもっとも内面的なものではない、と。むしろ彼女の声や歌詞の方が、心の奥深くを覗かせる。そう気づいた観客にとって、記録よりも「いまこの瞬間」が重要であることを知る体験となったに違いない。そしてその体験こそが、次に彼女の歌声を聴くときを心待ちにさせるのである》と分析。「顔を隠すことで、より素顔に近づく」というのがAdoの選択だと論じた。
ブラジル日報(2025.8.23.) からの転載です
https://brasilnippou.com/ja/articles/250823-22colonia
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CEEN的、要点整理
簡単に内容を整理します。
- 日本の歌手 Ado が “HIBANA World Tour” の一環として、ブラジル・サンパウロで公演をした。観客数、規模ともに大成功。南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報
- 会場はエスパッソ・ウニメジ、数千人を動員。南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報
- チケット価格:前方席840レアル、VIP 930レアル、一般360レアルと、ブラジルでの欧米著名アーティストの公演と同程度。南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報
- Ado の演出の特徴:写真・映像撮影禁止、シルエットを浮かび上がらせる演出、LEDライト、舞台装置などで視覚的にも聴覚的にも没入感・芸術性を重視。南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報
- 最後の方では、日本語だけでなく英語やポルトガル語で観客へ語りかけるなど多言語・文化を意識したコミュニケーションをとっていた。南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報
- また、Ado が「顔を隠す」演出には、単に未知性を創るというだけでなく、“外見による先入観や評価を取り払うため”、表現そのものを純粋に見せたいという強い意志が込められている、という批評的視点。南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報
留学検討者にとってのポイント・示唆
このレポートから、海外留学をする・しようと考えている人には特に以下のような学びやヒントがあります。
| 分野 | 内容 | 留学との関連・応用 |
|---|---|---|
| 文化理解・国際感覚 | Ado のツアーが、言語・文化の壁を越えてブラジルの観客を魅了していること。演出・演目・語りかけが多言語を交えている。 | 留学先では、現地文化をただ受け入れるだけでなく、自分の文化をどう表現するか/どう交差させるかが問われる。国際的な場で評価されるためには、表現の工夫、言語力、異文化コミュニケーション力が重要。 |
| 言語力の大切さ | 英語・ポルトガル語での語りかけがあった。多くの観客が見に来て、母語でない言葉での交流が価値を持っている。 | 留学中はその国の言語+英語など国際共通語の力が、学業以外でも人との交流や自己表現で大きな差になる。日常会話だけでなく公の場で使う練習も意味がある。 |
| 自己表現とアイデンティティ | Ado が「顔を出さない」演出を選ぶことで、外見に囚われず「音楽/表現そのもの」に観客を向けさせようとしている。 | 留学は、自己を再発見したり、表現の自由を模索したりする機会。自己のアイデンティティ(見た目・言語・文化背景など)をどう位置づけるかを考えるきっかけになる。 |
| 芸術・エンタメから見る国際市場 | 日本発の音楽文化(アーティスト・アニメ文化)が世界を回り、ブラジルなど現地で受け入れられている。後援も国際的(クランチロールなど)で、ツアーの規模・動員力も大きい。 | エンタメ/アート系を目指す人は、日本だけでなく世界市場を視野に入れた戦略やネットワークを持つことが重要。留学先での表現活動やまとまったプロジェクト経験がその「国際競争力」になる。 |
| 現地事情・コスト感覚 | チケット価格が現地の演奏会と比較して同程度。ブラジルという国の所得水準や物価を考慮しても、高水準であることが示されている。観客動員も「数千人」。 | 留学生活や活動をする上で、「この国ではどのくらいのお金でどのくらいのスケールのことができるのか」「人々が何にお金を払うのか」という現地の価値観を理解することは非常に重要。予算設計・期待設定に影響する。 |



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